「高次脳機能障害があっても、また働けるのだろうか」と不安を感じていませんか?高次脳機能障害の就労支援には種類がいくつかあり、自分に合ったサービスを選ぶことが、仕事への第一歩につながります。この記事では、利用できる支援サービスの全体像をわかりやすく整理し、どれを選べばよいかの判断ポイントを丁寧に解説します。
高次脳機能障害と就労支援の基本を知ろう
高次脳機能障害は、脳卒中や交通事故による脳損傷などが原因で、記憶・注意・遂行機能・言語などに障害が残る状態です。外見からはわかりにくいため、「怠けている」「気が散りやすい」と周囲に誤解されやすく、職場での困りごとが多いのが実情です。
厚生労働省の調査によると、高次脳機能障害のある方のうち、就労を希望しながらも支援につながれていないケースが少なくないとされています。しかし、適切な高次脳機能障害の就労支援の種類を知り、自分の状態に合ったサービスを選ぶことで、安定した就職・復職を目指すことが十分に可能です。
まずは、現在どのような支援サービスが存在するのかを把握することが大切です。
利用できる就労支援サービスの種類一覧
高次脳機能障害のある方が活用できる就労支援の種類は大きく分けて5つあります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
① 就労移行支援
一般企業への就職を目指す方向けのサービスです。ビジネスマナーやパソコンスキルの習得、職場実習などを通じて、最長2年間かけて就職活動を支援します。高次脳機能障害のある方にとっては、注意力や記憶力のトレーニングも行われるため、リハビリと仕事の準備を同時に進められる点が魅力です。
- 対象:就労を希望する障害のある方(原則18〜65歳)
- 期間:最長2年(要件を満たせば延長可)
- 費用:収入に応じて無料〜月額上限あり
② 就労継続支援A型(雇用型)
事業所と雇用契約を結び、最低賃金以上の給与を得ながら働くサービスです。高次脳機能障害の就労継続支援として選ぶ方も多く、一般就労の前段階として利用されるケースがあります。平均月額工賃は約8〜9万円程度(令和4年度実績)です。
③ 就労継続支援B型(非雇用型)
雇用契約を結ばず、軽作業などを通じて就労体験ができるサービスです。体調や障害の程度に合わせてペースを調整しやすく、まだ一般就労や雇用契約が難しい方に向いています。平均月額工賃は約1万7千円程度(令和4年度実績)ですが、生活リズムを整えながら社会とのつながりを保てる点が大きな利点です。
④ 就労定着支援
就職後の職場定着を支援するサービスです。就職から6ヶ月以降に利用でき、最長3年間にわたって職場や家族、医療機関との調整を行います。高次脳機能障害のリハビリと仕事を両立させながら働き続けるためのサポートとして非常に有効です。
⑤ ハローワーク・障害者雇用枠の活用
高次脳機能障害の障害者雇用での就職を目指す場合、ハローワークの専門援助部門や、障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)を利用する方法もあります。精神障害者保健福祉手帳や療育手帳を取得することで、障害者雇用枠に応募できるようになります。
自分に合った就労支援の種類を選ぶポイント
高次脳機能障害の就労支援の種類を知っても、「自分はどれを選べばいい?」と迷う方は多いです。以下のチェックポイントを参考にしてください。
現在の体調・障害の程度を確認する
- 週5日フルタイムで活動できる → 就労移行支援・A型を検討
- 週3〜4日、短時間なら活動できる → 就労移行支援・B型を検討
- 週1〜2日程度しか外出が難しい → まずB型や医療リハビリを優先
就労の目標・タイムラインを確認する
- 1〜2年以内に一般就労を目指したい → 就労移行支援が最適
- まずは就労体験を積みたい → 就労継続支援(A型またはB型)
- すでに就職したが職場定着が不安 → 就労定着支援
支援機関との相性も大切
同じ高次脳機能障害の就労支援の種類でも、事業所によって支援の質や得意分野は異なります。体験利用(見学・体験)を複数の事業所で行い、スタッフとの相性や支援内容を確認することを強くおすすめします。
支援を受けるための手続きの流れ
就労支援サービスを利用するには、障害福祉サービスの受給者証が必要です。おおまかな流れは以下のとおりです。
- ①相談:市区町村の福祉窓口や相談支援専門員に相談する
- ②診断・手帳取得:医師の診断書をもとに障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳など)を申請する
- ③サービス等利用計画の作成:相談支援専門員と一緒に計画を立てる
- ④受給者証の発行:市区町村から支給決定を受ける
- ⑤事業所に通所開始:希望のサービスを利用し始める
手続きには数週間〜1〜2ヶ月程度かかる場合があります。早めに動き出すことが大切です。
まとめ
高次脳機能障害の就労支援には、就労移行支援・就労継続支援A型・B型・就労定着支援・障害者雇用の活用など、さまざまな種類があります。大切なのは、「今の自分の状態」と「目標」を照らし合わせて、無理のない選択をすることです。
どのサービスが自分に向いているかわからないときは、一人で悩まずに相談支援専門員やハローワークの専門窓口に話を聞いてみてください。高次脳機能障害のリハビリと仕事を両立しながら、自分らしいペースで社会参加への道を歩むことができます。あなたに合った支援が必ず見つかるはずです。
