「就労移行支援って就労継続支援と何が違うの?」と疑問に思っていませんか?障害のある方が利用できる就労支援には複数の種類があり、それぞれ目的や対象者が異なります。どれを選べばいいか迷ってしまうのは当然のことです。この記事では、就労移行支援・就労継続支援A型・B型の違いをわかりやすく比較しながら、あなたに合ったサービスの選び方をご紹介します。
就労支援の種類をざっくり整理しよう
障害のある方が働くためのサポートとして、国が設けている福祉サービスには主に3種類あります。それぞれの特徴を一言で表すと次のようになります。
- 就労移行支援:一般企業への就職を目指すための「訓練・準備の場」
- 就労継続支援A型:事業所と雇用契約を結んで働く「福祉的就労の場」
- 就労継続支援B型:雇用契約なしで、自分のペースで働く「福祉的就労の場」
最大の違いは「一般就労を目指すか、福祉の場で働き続けるか」という点です。就労移行支援はあくまで「一般企業への就職」をゴールとした準備期間であるのに対し、就労継続支援は福祉サービスの事業所内で継続的に働く仕組みです。
3つの制度を徹底比較!一覧表でチェック
それぞれの制度を主要な項目で比較すると、以下のようになります。自分の状況と照らし合わせながら確認してみましょう。
| 項目 | 就労移行支援 | 就労継続A型 | 就労継続B型 |
|---|---|---|---|
| 目的 | 一般就労への移行 | 雇用契約での就労継続 | 雇用契約なしの就労継続 |
| 雇用契約 | なし(訓練期間) | あり | なし |
| 賃金・工賃 | なし(交通費支給の場合あり) | 最低賃金以上の給与 | 工賃(平均約1.6万円/月) |
| 利用期間 | 原則2年以内 | 制限なし | 制限なし |
| 年齢制限 | 原則65歳未満 | 原則65歳未満 | 制限なし |
| 向いている人 | 将来は一般企業で働きたい人 | ある程度安定して働ける人 | 体調や体力に不安がある人 |
就労移行支援を選ぶべき人・選ばない方がいい人
就労移行支援は、就労支援の中でも「一般就労」をゴールに定めた特別な制度です。利用期間が原則2年以内と定められているため、計画的にスキルを身につけながら就職活動を進める必要があります。
就労移行支援が向いている人
- いつか一般企業で働きたいという気持ちがある
- 就職活動のやり方がわからず不安を感じている
- ビジネスマナーやPCスキルなど、基礎から学びたい
- 就職後も定着支援を受けながら長く働き続けたい
- 障害の特性に合った職場探しのサポートが必要
就労継続支援(A型・B型)が向いている人
- 体調の波が大きく、毎日定時に通うのが難しい
- 今すぐ一般就労は難しいが、社会とつながっていたい
- 就労移行支援を経て就職したが、再び福祉的な支援が必要になった
- 長期的に安心できる就労環境で、無理なく働き続けたい
就労移行支援は「準備期間」という性質上、訓練中は給与が発生しません。そのため、経済的な面での計画も大切です。生活保護や障害年金を受給しながら利用している方も多く、事業所のスタッフに相談することで生活設計のサポートも受けられます。
迷ったときはどうする?制度選びのポイント
「自分にどの制度が合うかわからない」という方は、以下のステップで考えてみましょう。
ステップ1:将来の働き方をイメージする
まず「いつか一般企業で働きたいか」を考えてみてください。もし「できれば一般の会社で働いてみたい」という気持ちがあるなら、就労移行支援の利用を検討する価値があります。焦る必要はなく、2年間かけてじっくりと準備できます。
ステップ2:今の体調・生活リズムを確認する
毎日または週3〜5日程度、決まった時間に通所できそうかどうかも重要なポイントです。就労移行支援の事業所は多くが週3日〜フルタイム通所を想定しています。体調に大きな波がある場合は、まず就労継続支援B型から始めて、徐々にステップアップする方法もあります。
ステップ3:相談支援専門員や支援機関に話を聞く
どの制度が自分に合っているかは、専門家に相談するのが一番です。市区町村の障害福祉担当窓口や、相談支援専門員、ハローワークの専門援助部門などに相談することで、客観的なアドバイスをもらえます。就労移行支援の事業所は無料で見学・体験を受け付けているところがほとんどなので、複数の事業所を比べてみることもおすすめです。
まとめ
就労移行支援・就労継続支援A型・B型は、それぞれ目的や対象者が異なる福祉サービスです。大切なのは「正しい制度を選ぶこと」ではなく、「今の自分に合った制度を選ぶこと」です。
- 一般就労を目指したい→ 就労移行支援
- 雇用契約を結んで安定して働きたい→ 就労継続支援A型
- 自分のペースでゆっくり社会参加したい→ 就労継続支援B型
就労移行支援は「一般就労への橋渡し役」として、スキル習得から就職活動・就職後のフォローまで幅広くサポートしてくれる制度です。「自分にできるかな」と不安に感じている方も、ぜひ一度、近くの就労移行支援事業所に相談してみてください。あなたの一歩を応援する専門家が待っています。
