適応障害の方が就労移行支援を使うポイントと活用法

適応障害の方が就労移行支援を使うポイントと活用法

適応障害と診断されて休職・退職した後、「次の仕事に向けて何をすればいいのか」と悩んでいる方は少なくありません。そんなとき、適応障害の方の就労移行支援の活用が、仕事復帰への大きな一歩になります。この記事では、適応障害の方が就労移行支援をどのように使えるのか、利用条件から具体的な活用ポイントまでわかりやすく解説します。

適応障害とは?就労移行支援が選ばれる理由

適応障害とは、職場の人間関係・過重労働・転勤など、特定のストレス要因に強く反応することで、気分の落ち込みや身体症状、仕事への意欲低下などが現れる状態です。近年、若い世代を中心に診断数が増加しており、厚生労働省の調査でも気分障害・ストレス関連疾患は増加傾向にあります。

適応障害の特徴として、「ストレスの原因から離れると症状が和らぐことが多い」という点があります。しかし、だからといってすぐに再就職しようとすると、同じ環境に置かれて再発するリスクもあります。そこで注目されているのが適応障害の方への就労移行支援です。段階的に就労準備を進められる環境が、再発防止と安定就労につながると言われています。

適応障害の方が就労移行支援を利用できる条件

就労移行支援は障害福祉サービスの一つです。「障害者手帳がないと使えないの?」と思われる方もいますが、実は手帳がなくても利用できるケースがあります。

利用に必要な主な条件

  • 主治医から適応障害の診断を受けていること
  • 就労を希望していること(原則18〜65歳未満)
  • 市区町村の審査で「障害福祉サービス受給者証」が発行されること

障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)がなくても、主治医の意見書と自治体の判断によって受給者証が発行され、就労移行支援を利用できる場合があります。ただし、手帳を取得しておくと就職後の「障害者雇用枠」の活用や、定着支援の利用がよりスムーズになるため、主治医に相談しながら取得を検討するのもおすすめです。

費用はどのくらいかかる?

就労移行支援の利用料は、前年度の世帯収入によって異なりますが、約9割の方が自己負担0円で利用しています(厚生労働省調査より)。経済的な不安が大きい休職・退職後でも安心して始めやすい点も魅力です。

適応障害の方が就労移行支援を活用する3つのポイント

ただ通所するだけでなく、自分に合った使い方を意識することが、仕事復帰を成功させるカギです。以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

① 自分のペースで回復しながらスキルを身につける

適応障害からの仕事復帰支援として就労移行支援が優れているのは、「通所そのものがリハビリ」になる点です。最初は週1〜2日の短時間通所からスタートし、体調に合わせて徐々に通所日数・時間を増やしていきます。多くの事業所では、PCスキル・ビジネスマナー・コミュニケーショントレーニングなどのプログラムも提供しており、就職活動の準備と体調管理を同時に進められます。

② ストレス要因の「見える化」と対処法を学ぶ

適応障害の再発を防ぐには、「自分が何にストレスを感じやすいか」を知ることが重要です。就労移行支援では、支援員と一緒にストレスの傾向を整理したり、セルフケアの方法を学んだりするプログラムを実施している事業所が多くあります。これにより、就職後も自分でコンディションを管理する力が身につきます。

③ 就職先のミスマッチを防ぐための職場見学・実習

適応障害の休職後の就職活動では、「また同じ状況になるかもしれない」という不安が大きいものです。就労移行支援では、実際の職場での実習(職場体験)を行いながら、自分に合う環境・職種・働き方を確認することができます。支援員が企業とのやりとりを一緒に行ってくれるので、一人で抱え込まずに就職活動を進められます。

就労移行支援を使った適応障害の方の就職活動の流れ

実際に適応障害の方が就労移行支援を利用する場合、どのような流れになるか確認しておきましょう。

  • STEP1:主治医に相談・診断書の準備 就労移行支援の利用を伝え、意見書の作成を依頼する
  • STEP2:事業所の見学・体験 複数の就労移行支援事業所を見学し、自分に合う雰囲気・プログラムを確認する
  • STEP3:市区町村に申請・受給者証の取得 居住地の市区町村窓口(福祉課など)で申請し、受給者証を取得する
  • STEP4:通所開始・プログラム参加 自分のペースで通所を開始。スキル習得やセルフケアのプログラムに参加する
  • STEP5:職場実習・就職活動 支援員と一緒に求人を探し、職場実習を経て就職を目指す
  • STEP6:就職後の定着支援 就職後も最長3年間、定着支援を受けながら安定した就労を続ける

就労移行支援の利用期間は原則2年間です。焦らず、自分の回復ペースに合わせて進めることが、適応障害の仕事復帰支援において最も大切な考え方です。

まとめ

適応障害の方が就労移行支援を活用することで、回復しながらスキルを身につけ、自分に合った職場へ安心して踏み出すことができます。障害者手帳の有無に関わらず利用できるケースがあること、費用負担がほとんどかからないことも、大きなメリットです。

「休職・退職後の次のステップをどうすればいいかわからない」と感じている方こそ、一度、近くの就労移行支援事業所に相談してみてください。一人で抱え込まず、専門家のサポートを受けながら、自分らしい働き方を一緒に見つけていきましょう。

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